DVD

『海、静かな海』 平田オリザ演出、ケント・ナガノ&ハンブルク国立歌劇場、エルマーク、藤村実穂子、B.メータ、他(2016 ステレオ)(日本語字幕付)(日本語解説付)

細川俊夫 (1955-)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
KKC9207
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD

商品説明


日本語字幕付
平田オリザ脚本
東日本大震災と原発事故が起きた福島を舞台にした
細川俊夫、新作オペラ『海、静かな海』

日本語解説付き

細川俊夫の新作オペラ『海、静かな海』。2016年1月にハンブルク国立歌劇場で初演された際の映像がDVDとなって発売されます。劇作家、平田オリザ氏が原作を書き、初演時の演出も担当。指揮はケント・ナガノ、歌手陣にはスザンヌ・エルマーク、藤村実穂子、ベジュン・メータら実力派が出演した注目の上演です。
 近年、細川俊夫は人と自然との関わり合いをテーマに音楽を作っており、このオペラ『海、静かな海』もその延長線上にあります。オペラのテーマは、東日本大震災と原発事故が起きた福島を舞台に、犠牲者への鎮魂、被災地に住む人々の心情を描いたもの。平田オリザ氏の書き下ろした脚本は、能作品の「隅田川」と森 鴎外の「舞姫」を下地としています。「舞姫」はドイツと日本という2つの文化で揺れ動く男の物語で、このオペラでは男女が逆転し描かれています。そして「隅田川」は子を亡くした母の物語であり、津波で我が子を失い心に大きな傷を負ったクラウディアに反映されています。細川俊夫はこのオペラで、キリスト教的な救いではなく、魂の癒しの過程を描いた伝統的な能の主題をベースにした仏教的なオペラを目指したといいます。音楽を通じて、日本で何が起きたのかを直視し、さらに風化させないことを改めて願う作品となっています。

【あらすじ】
日本人と結婚し、バレエ教師として福島で暮らすドイツ人女性クラウディアは、2011年3月11日、津波の被害によって愛する夫と子供を亡くします。その後、原発事故が発生し、夫の姉ハルコ、そして元夫のシュテファンもクラウディアにドイツへ帰国するように勧めるも、彼女は福島に留まることを決める。(輸入元情報)


【収録情報】
● 細川俊夫:オペラ『海、静かな海』


 1幕5場、ハンブルク国立歌劇場委嘱作品
 原作:平田オリザ(日本語)
 ドイツ語翻訳:ドロテア・ガストナー
 オペラ台本:ハンナ・デュブゲン

 スザンヌ・エルマーク(ソプラノ:クラウディア)
 藤村実穂子(メゾ・ソプラノ:ハルコ)
 ベジュン・メータ(カウンターテナー:シュテファン)
 ヴィクトール・ルート(テノール:ヒロト)
 マレク・ガセツェッキ(バリトン:漁師サカモト・タロウ)
 ヴォーカルゾリステン・ハンブルク
 ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団
 ケント・ナガノ(指揮)

 演出:平田オリザ
 舞台美術:杉山 至
 衣装:正 金彩
 照明:ダニエル・レヴィ
 ドラマトゥルク:ヤニーナ・ツェル

 収録時期:2016年1月
 収録場所:ハンブルク国立歌劇場(ライヴ)

● 特典映像「Making-of Dokumentation」

 収録時間:本編105分、特典15分
 画面:カラー、16:9
 音声:PCMステレオ、DTS 5.1、DD 5.1
 原語:ドイツ語
 字幕:ドイツ語、英語、日本語
 NTSC
 Region All

 輸入盤・日本語帯・解説付

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  舞台は原発の燃料棒を思わせる無機質に...

投稿日:2020/05/24 (日)

  舞台は原発の燃料棒を思わせる無機質に光るオブジェが上から吊り下がるシンプルなつくり。歌は前作「松風」と比べてもかなり直情的で激しい表情付けがされている。地震などの衝撃を、家族を亡くした感情の揺れを伝えるためだろうか。打楽器による激しい出だしも今までにないやり方。動きも抑制され逆に激しい歌いぶりが余計に目立つことになる。 母親クラウディア役の表情は能の物狂いにも似た感じで痛切にその哀しみを突き付けられた。クラウディアの義姉ハルコ役の藤村実穂子も役柄にはまっていた。人間の悲劇が繰り広げられる中、それでも海は静かにそこにある。最後はみな海のかなたに目線を送りながら様々な想いを心にひめ、幕は下りていく。   東日本大震災、その津波によって引き起こされた原発事故…現在に生きる日本人が決して忘れることができない悲劇。 福島、隅田川…突然の悲劇で子供と離ればなれになってしまった母親の哀しい狂気。  こういう括り方は不謹慎かもしれないが、悲劇であれ芸術であれ日本という地をきちんとした形で発信し理解の一端にしてもらうことは必要なことだと思う。オペラという形式で細川俊夫が伝えた「日本」。日本という国が、大震災のあった地であり、原発事故のあった地であり、「彼岸」という祖先または故人と交流する文化風習を持つ地であり、「能」という芸術が育まれた地でもある、ということを広く知って考えてもらえるようになればよいが。   2020年に当盤を入手し視聴したためかもしれないが、放射能を防ぐ防護服のシーンなどは本年の病院内で防護服を着用し苦闘する方々のシーンにかぶって見えてしまった。2011年のあの事故だけでなく2020年に起きている災厄にも通じるような感覚をもって観ることにもなるかもしれない。

うーつん さん | 東京都 | 不明

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